Topic19 この想い受け取って
さて、早いものでノーツ新任担当者向けDominoサーバー管理講座も今回が最終回です。
新任太郎「そんなぁ!まだ教えてもらいたいことがいっぱいあります!」
例えば、何ですか?
新任太郎「障害報告書の書き方のコツとか!」
それはあなたの上司に聞いてください。さて、メール編の第二回はSMTPメールについてです。
前回扱ったNotesメールは、Notesのユーザー名を使って簡単にNotesの世界の中でメールをやり取りするというものでした。今回は一般に使われている「taro-hakozaki@hogehoge.com」というようなインターネットアドレス形式で他社ともメールをやり取りする方法について学んでいきます。
外から誰かがあなたの会社のインターネットドメインあてにメールを送ります。するとDNSサーバーを通じてあなたの会社のメールサーバーのIPアドレスが引かれます。このIPは直接Dominoサーバーでなく、例えばウィルスチェック用のサーバーなどである場合が多いですが、そこにまずはメールが着信し、その後、リレーサーバー経由でDominoにメールが流れてきます。
新任太郎「なんだ、じゃあDominoサーバー側は何もしなくても勝手にメールが飛んでくるんですね」
いえ、受信するための設定は必要です。インターネットの世界では「SMTP」というプロトコルでメールがやり取りされますので、Dominoサーバーもこの機能を有効にしておかなければいけません。
新任太郎「サーバータスクだ!SMTPのタスクを上げるということですね」
その通りです。さすが10回目ともなるとスキルアップしていますね。SMTP Listenerタスクの起動設定は以下の通りです。
DominoとしてはこれでOKですが、サーバーのファイアウォールでSMTPのポート「25番」が閉じているとメールを受信できませんので、ここも合わせて開けるように気を付けてください。
Topic20 君に届け
先ほどはメールリレーサーバーからSMTPメールを受けとる設定を見ました。次はメールリレーサーバーへメールを送信する設定を見ていきます。
まず簡単な方法としては、サーバー設定文書で以下の設定を行います。
新任太郎「要は、リレー先のサーバーのIPアドレスを指定すればいいんですね。簡単だ」
そうですね。社内にリレーサーバーがある場合はそのIPアドレス、直接プロバイダのメールサービスなどにリレーする場合は、そのサービスが公開しているIPアドレスやホスト名を指定するとよいでしょう。
新任太郎「いやぁ、最後のTopicは案外あっけなかったですね」
実はそれだけで終わらないのがややこしいDominoの世界なのです。
大規模な企業やセキュリティの厳しい企業では、メールを社外に送信する際に第三者承認を行っている場合などがあります。
新任太郎「そういえばうちの会社も、社外に送信するときは上司の承認が必要です。確かURL付きのメールが自動返信されてきて、そこにアクセスして承認ボタンを押すんです」
そういったケースは多いですね。ちなみに、すべての社外メールが承認の対象ですか?
新任太郎「そういえば、グループ会社にメールを送るときはいちいち承認しなくてもメールが飛んでいきます」
ということは、宛先のドメインに応じて、メールのリレー先を変えているということになりますね。
新任太郎「そういうことか、でもさっきの設定だと一つしかリレー先を指定できませんでしたよね?」
そうですね。ましてやドメインごとに出しわけるための設定箇所などありませんでした。実はこの場合は、別の設定を使うのです。
まずはDominoディレクトリに「異種SMTP文書」を作成します。ここに宛先ドメインのパターンを入れるのですが、まずは「*.*」とします。
新任太郎「それって、あらゆるメールアドレスに当てはまりますよね?」
その通りです。まずは全部のメールのリレー先を指定して、そのあとに、そこ以外にリレーしたいドメインを個別に指定していくのです。
異種SMTPでは「宛先ドメイン」と「ラベル(なんでもいい)」を設定します。次に、そのラベルにあてたメールリレー用の「SMTP接続文書」を作ってリレー先のIPアドレスを指定します。つまり、一つのリレー設定につき、「異種SMTP文書×SMTP接続文書」を1セットずつ作っていくのです。
新任太郎「なるほど。ラベルはなんでもいいんですね」
はい。以上がSMTPメール送信の少し高度なテクニックです。
最後になりますが、メールのサイズ制限に関するTipsをいくつか紹介しておきますので、お時間のある時に見ておいてくださいね。
新任太郎「あぁ、本当にこれで講座終わっちゃうんですね!これからDominoサーバーの管理で困ったら誰に相談すればいいんですか!」
そうですね、今回のブログに書いたような知識は、Notesコンソーシアムに参加されている企業のベテランSE達にとってはごくごく当たり前の内容です。なので、このあたりのTipsや悩み相談などは、ぜひNotesコンソーシアムに入会し、研究会に参加するなどして色んな人に出会い、質問しながら解決していくとよいでしょう。
新任太郎「なるほど、今すぐにNotesコンソーシアムに入会するように、上司に稟議を提出してみます!あれ、Notesのワークフローで変なエラーが出ている。。先生、これはいったい何ですか?」
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新任太郎「先生!先生!あ、もういなくなってる!そんなぁ・・最後のセリフは何かすごい大きな力に媚びた一言だったなぁ・・。あれ、なんだろうこの分厚い本」
新任太郎「わかりました。。この本でさらに勉強して、いつか貴方もおどろくスーパーDomino管理者、伝説のIBMチャンピオンになってみせます。その時までどうか。。さようなら。。」
~おしまい~