当講座を開発担当した株式会社ソルクシーズ吉田です。

本連載は、今年開催した「ノーツ新任担当者向けワークショップ(開発者編)」の内容を再編集してお届けします。

第01回は、これからアプリケーション開発をはじめるにあたっての事前説明です。

「実際に操作をしながら学びたい」と思われた方は、来年春に開催予定のワークショップにぜひご参加ください。

 

 

IBM Notes/Domino とは?

Notes/Domino は、グループウェアとしての側面と、カスタムアプリケーションの開発および実行環境としての側面を備えたソフトウェアです。

グループウェアとは、メールや掲示板といった、 企業が情報共有に使うツールを提供する製品のことで、 最近はコラボレーションソフトとも呼ばれます。

 

開発および実効環境が含まれているため、追加投資なしでカスタムアプリケーションを作成して利用することができます。

※ 一部利用できない(その分安価な)ライセンスもあります。

 

また、柔軟なアクセス制御を基盤としてワークフローなどの複雑な業務アプリケーションを作り込むことができるのも特徴です。

 

繰り返しになりますが、Notes/Domino は「柔軟なアクセス制御の元でカスタムアプリケーションを追加投資なしに開発・実行できるソフトウェア」と言えます。

 

 

開発に使用するソフトウェア

Notes/Domino の開発に使用するソフトウェアは主に以下の4つです。

 

  1. IBM Domino (サーバー)
  2. IBM Notes (ノーツクライアント)
  3. IBM Domino Administrator (システム管理用)
  4. IBM Domino Designer (アプリケーション開発用)

 

アプリケーション開発には、この中の「IBM Domino Designer」を使用します。(以後、Designer と表記します)

普段使用している「IBM Notes(ノーツクライアント)」とは別のソフトウェアになります。そのため、別途インストールが必要になります。

 

 

 

ノーツのアプリケーション(DB)とは?

ノーツのアプリケーションとは何を指すのでしょうか?

下図は、アプリケーションの一例です。

 

 
ワークフローなど自分たちで開発したアプリケーション以外にもメールや会議室予約、標準のディスカッションも同一の技術で作られています。

また、ドミノディレクトリ(公開アドレス帳)やログなどのシステム系も同様に作られています。

 

このため、カスタムアプリケーションを開発する際に標準アプリケーションやシステム系アプリケーションの設計を参考にすることが可能になっています。

これは、Notes/Domino の面白い特徴だと思います。

 

ちなみに、アプリケーションは、過去にDBまたはデータベースと呼ばれていました。

そのため、今でも良くDBと呼ばれることがあります。

 


ノーツの利用形態

ノーツには主に2つの利用形態があります。

1つ目は、ノーツクライアントから利用する方法です。

2つ目は、ブラウザから利用する方法です。

 

今回の連載では、1つ目のノーツクライアントから利用するためのアプリケーション開発について解説していきます。

(ブラウザから利用するためには、Web アプリケーション用の開発が別途必要です)

 

 

 

作成するアプリーケーション

今回の連載で作成するのは、簡単なアンケートを実施するためのアプリケーションです。

主に以下の機能があります。

 

アンケートへの回答・保存

データの表示・入力項目は、5つです。

  1.  回答日:表示のみ。自動計算
  2.  回答者:表示のみ。自動計算
  3.  (質問1への)回答1:入力可能。手動入力
  4.  (質問2への)質問2:入力可能。手動入力
  5.  (質問3への)質問3:入力可能。手動入力

 

 

回答の一覧表示

すべての回答が一覧表示されます。列は、5列です。

  1.  回答日:降順
  2.  回答者
  3.  回答1
  4.  回答2
  5.  回答3

 

 

 

当講座の流れ

大きく5つのステップに分かれています。

ステップ1:アプリケーションの作成

ステップ2:フォームの作成

ステップ3:ビューの作成

ステップ4:フレームセットの作成

ステップ5:エージェントの作成

 

 


プロパティ

アプリケーションの作成で頻繁に利用するのが「プロパティ」です。

普段、文字の装飾(太字、色)を設定するのに利用しているのも(文字の)プロパティです。

 

 

表示方法は、対象のフィールドやフォームを選択して以下の操作を行います。

  1. コンテキストメニュー(右クリック)
  2. Alt + Enter キー

 

 

 この他にも Designer のツールバーから表示することも可能です。

 

 

以上が、事前説明です。

次回からは、いよいよアプリケーションを作成していきます。お楽しみに!

(株式会社ソルクシーズ 吉田武司)