当講座を開発担当した株式会社ソルクシーズ吉田です。
本連載は、今年開催しました「ノーツ新任担当者向けワークショップ(開発者編)」の内容を再編集をしてお届けします。
第2回は、IBM Domino Designer (以後、Designer と表記します)を使ってアプリケーションの開発を始めます。
ステップ1としてアプリケーションの実体となるファイルを作成し、ステップ2としてフォーム(データの入力・表示画面)を作成していきます。
「実際に操作をしながら学びたい」と思われた方は、来年春に開催する予定のワークショップにぜひご参加ください。
Designer の起動
Designer をWindows のデスクトップやスタートメニューにある「IBM Domino Designer」から起動します。

ステップ1:アプリケーションの作成

アプリケーションの実体となるファイル(拡張子 .NSF)を作成します。
このファイルの中に「文書と呼ばれるデータ」と「設計要素(プログラム)」が保存されます。

Desinger のメニューバーから<ファイル-アプリケーション-新規>を選択します。
ダイアログ「新規アプリケーション」が表示されます。

各項目に下表の値を設定します。
※今回の演習では、テンプレートを使用しません。よって、ダイアログ下半分はデフォルトのままとしてます。
新規アプリケーション名と場所の指定 |
サーバー |
Local |
配置先
今回は、ローカル(開発者のクライアントPC)としています。
|
タイトル |
アンケート |
アプリケーションの名称
ワークスペースのDBアイコンに表示
|
ファイル名 |
demo.nsf |
ファイル名。フォルダも指定可能
(例:example¥demo.nsf)
※「¥」は半角です。
|
ボタン「OK」をクリックすると、ファイルが作成されます。
ステップ2:フォームの作成

文書(データ)を入力・表示するためのフォームを作成します。
完成イメージ

画面左の設計要素一覧から「フォーム」をダブルクリックして選択します。
画面中央にフォームの一覧が表示されます。(この時点ではフォームが存在しないため空欄です)
画面上部のボタン「新規フォーム」をクリックします。
ダイアログ「新規フォーム」が表示されます。

各項目に下表の値を設定します。
フォーム |
名前 |
アンケート |
日本語の名前
|
別名 |
Topic |
プログラムで使用する名前(半角英数字)
|
ボタン「OK」をクリックすると、フォームが作成されます。
ステップ2-1:フォームの保存
メニューバー<ファイル-保存>から保存します。
(以降、保存については特に記述しませんので、必要に応じて保存してください)

ステップ2-2:ウィンドウタイトル
ウィンドウタイトルは、クライアント使用時のタブに表示されるフォームの名前です。

フォーム設計画面下部のタブ「オブジェクト」内の「ウィンドウタイトル」をクリックすると右隣がウィンドウタイトルの設定画面に切り替わります。
ここに「”アンケート”」と入力します。この時、「”」(半角のダブルコーテーション)で囲むことを忘れないようにしてください。
ダブルコーテーションで囲むことで「アンケート」という文字列を固定で指定したことになります。

ステップ2-3:項目名(ラベル)の入力
画面中央のフォーム設計画面に下図のようにラベルを入力します。
画像を参考に色などを文字のプロパティから設定します。
文字のプロパティは、文字を選択して右クリック、「文字のプロパティ」で開けます。

ラベル |
回答日: |
回答者: |
質問1:パソコンは何台お持ちですか? |
質問2:使用している電話は何ですか? |
質問3:パソコンや電話に欲しい機能は何ですか? |
以上 |
ステップ2-4:フィールドの作成方法についての説明
データを表示(日付やユーザー名など)したり、ユーザーが入力する項目には「フィールド」を使用します。
フォーム内のフィールドを配置したい箇所にカーソルを移動してから、メニューバー<作成-フィールド>を選択します。
配置したフィールドをダブルクリックして、フィールドのプロパティを開いてみましょう。
フィールドの「名前」には、半角英数字を使用します。
「種類」は、データの属性(テキスト、日付/時刻、数値など)や編集/計算の可否が指定できます。

デフォルト値の設定
デフォルト値は、文書(データ)作成時の初期値です。
フィールドを選択して画面下部の「デフォルト値」に記述します。
タブ「オブジェクト」の一覧からフィールドの「デフォルト値」で選択することも可能です。

計算結果フィールドへのプログラムの記述
「計算結果」「作成時の計算結果」「表示用の計算結果」を設定するとプログラムが値を計算します。
(計算が実行されるタイミングはそれぞれ違います)
フィールドを選択して画面下部の「値」に記述します。
タブ「オブジェクト」の一覧からフィールドの「値」で選択することも可能です。

フィールドの選択肢の設定
チェックボックスやダイアログリストなどの選択肢はフィールドのプロパティで設定します。
フィールドのプロパティのタブ「フィールド情報」で種類(例:チェックボックス)を選択します。

タブ「制御」で選択肢を入力します。

ステップ2-5:フィールドの作成
前述を参考にして、フォームに下図のようにフィールドを配置しましょう。

フィールドのプロパティの各項目に下表の値を設定します。
名前 |
種類 |
|
設定内容 |
CreatedDate |
日付/時刻 |
作成時の計算結果 *1 |
式:@Now
※ 現在の日時
|
Author |
作成者 |
作成時の計算結果 *1 |
式:@UserName
※ 現在のユーザー名
|
Answer01 |
数値 |
編集可能 |
デフォルト値:0
|
Answer02 |
チェックボックス |
編集可能
|
タブ「制御」の「選択」欄
・ iPhone
・ Android
・ その他
|
Answer03 |
テキスト |
編集可能
|
- |
*1 作成時の計算結果:文書の新規作成時に1回だけ計算。編集不可。
ステップ2-6:アクション(ボタン)の作成方法についての説明
フォームの上部には、ボタン(例:閉じる、編集、保存)を配置できます。
これらのボタンは「アクション」と呼びます。

メニューバー<作成-アクション-アクション>から作成します。
アクションへのプログラムの記述
アクションを選択して画面下部にプログラムを記述します。(フォーム設計画面下部)

アクションの表示/非表示の設定
アクションは、条件によって非表示にすることができます。
アクションのプロパティのタブ「アクション非表示」で条件を設定します。
注意する点は、指定した条件に一致した場合、非表示となることです。

ステップ2-7:アクション(ボタン)の作成
アクションを3つ作成して、下表の値・式を設定します。
アイコンは、好きな画像をプロパティで設定してください。
名前 |
式 |
非表示 |
閉じる |
@Command([FilecloseWindow]) |
-
|
編集 |
@Command([EditDocument]) |
プレビュー(編集モード)
編集モード
|
保存 |
@Command([FileSave]) |
プレビュー(読み込み)
読み込みモード
|
ステップ2-8:動作確認
作成したフォームを確認してみましょう。
ノーツクライアントを起動します。

作成したアプリケーション「アンケート」を開いてください。

メニューバー<作成-アンケート>から新規アンケートフォームが開くことを確認します。
この後の作業のために数件の文書を作成しておいてください。


以上が、フォーム(データの入力・表示画面)の作成までの手順です。
次回は、ビュー(データの一覧画面)の作成です。
お楽しみに!
(株式会社ソルクシーズ 吉田武司)
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