今日からぼちぼちと、「ノーツ新任担当者向けDominoサーバー管理講座」を書いていきたいと思います。

私はキーウェアサービス株式会社の河上と申します。Dominoを中心としたグループウェアの移行や導入、保守などをかれこれ10年くらいやっているSEです。

 

昨年、Domino管理者向けのワークショップをNotesコンソーシアム経由で実施させていただきました。なかなかに盛況で、ありがたいのと同時に、いい感じに初心者がDominoの管理のイロハを勉強できる場が少なくなってきてるのかなぁと残念に思う次第です。

 

さて、昨年ワークショップ管理者編自体は2回実施したわけですが、東京での開催のため、遠方で来られない方などもいたと思いますし、事務局からも強烈なプッシュをされているという大人の事情もあり、ここにブログの形式でも研修で話したような内容を書いていきたいと思います。

 

最初に注意というか軽い言い訳なんですが、ここに書く内容は私個人の経験に基づいたものであり、IBMさんの技術部門に念入りにレビューいただいたようなものではありませんので、多少不正確な内容があるかもしれませんが、そこは広い心で受け止めていただけるとありがたいです。

また、基本は最新のDomino9の挙動や機能を前提にして話を進めますので、その点もご理解ください。

 

Topic1 Notes/Dominoって何?

 

いきなり「人生って何?」くらいのヘビーな問いかけなんですが、まずは非常にあっさりと書いてみます。

 

メールとか掲示板とか、ポータルとか申請ワークフローアプリを動かすために必要な、パッケージソフトです。

 

社員同士が、会社のお知らせを共有したりとか、かっこよく言うとコラボレーションするために必要な基盤、ミドルウェアとかいうものです。

 

 

新任太郎「すいません、質問いいですか」

 

あ、このブログ、便宜上このように架空のキャラクターがたまに登場しますがそれほど気にしないで読み進めてください。

 

新任太郎「じゃあ、Dominoサーバーを試しにシャットダウンするとどうなるんでしょうか」

 

はい、端的に言うとさっき上に書いたサービスが止まるので、メールが送受信できなくなったり、社内ポータルがエラーで見られなくなったり、月の交通費の申請画面が出なくなったりします。状況によってはあなたの部署の偉い人が別の偉い人のところへ謝りに行ったりといった事態にも発展します。なので、決してサーバーを落とさないでください。

 

新任太郎「Dominoがとっても大事なシステムだとわかりました。ありがとうございます」

 

はい、そうですね。とても大事です。ただ、大事にしすぎてメンテナンスによる再起動やシステム停止なども、たくさんの大人たちの承認なしには行えないような場合もあり、多くのDomino管理者をうんざりさせているのも事実ですが、そんなことはまだ聞かなかったことにしてください。

 

 

 

Topic2 Dominoサーバーの稼働確認

 

Dominoサーバーが非常に重要なものだというのは伝わったと思います。では、今この瞬間、大事なDominoサーバーのサービスがきちんと稼働しているか、今すぐにでも確認したくなるのが人情というものですね。

 

 

Windowsサーバー上にDominoサーバーをインストールしている体で説明していきます。まず、当該のWindowsサーバーにログインしてみましょう。

 

すると、多くの場合、ただ単にデスクトップ画面が出てくるだけで、何かシステムが動いているようには見えません。ではどのように確認すればよいか。

 

まずはWindowsのサービス一覧を開きましょう。「IBM Domino Server」というサービスがそれです。このサービスがDominoシステム全体をつかさどっています。なので、たとえWindowsがシャットダウンされていなくても、このサービスが停止してしまえば、サーバーが落ちたことと同じになりますので、まずはこいつがしっかり動いているかを見ておくのがよいでしょう。会社によってはサードベンダーの各種ツールでサービスの生き死にを監視しているところもあると思います。

 

さて、Dominoのサービスが起動すると次に、Windowsのプロセスの形式で各種の機能が立ち上がってきます。試しにタスクマネージャの画面を見てみましょう。「nrouter.exe」や「nadminp.exe」など、Notesの「n」で始まるプロセスがいくつかあると思います。これがDominoの各機能をつかさどっているもので、Domino用語では「サーバータスク」などとも呼ばれます。サーバータスク一個一個について細かくはここでは説明しませんが、例えば「nrouter.exe」はルータータスクと呼ばれ、メールの送受信をコントロールしています。つまり、これを止めると、メール機能がストップします。ストップするとどうなるかは、Topic1に書いた通りなので、心配な方はこのプロセスを各種ツールで監視するのも良いでしょう。

 

 

 

 

新任太郎「サーバータスクがきちんと動いているかすごく心配なんですが、Windowsのコンソールにアクセスしなくても簡単に確認できませんか」

 

はい、なんだか必要以上にトラウマを植え付けてしまったようですね、すみません。サーバータスクの稼働状態は「Domino Administrator」というソフトからも確認できます。このソフトはNotes管理者には必須のソフトなので、もしあなたのマシンにインストールされていないのなら、インストールしておいてください。その際、Notesの管理者IDが必要になるのでそちらも準備をお忘れなく。

 

新任太郎「Notesしか使ったことありませんでした。Domino Administratorも今すぐにインストールします」

 

そうしてください。

最後にNotes/Domino関連の主要なソフトウェアの一覧を載せておくので参考にしてください。

 

 

今回はこの辺で。ではまた次回。